愛され続ける和菓子店であるために、100年前から変わらない想い
広島の地で100年続く老舗和菓子店。戦争や恐慌など、数々の困難を広島の街とともに乗り越えてきた。コロナ禍においても、日本の美しい文化であるお菓子を通して人々を楽しませ続ける。
ご自宅でも四季の美しさを
学生:自宅で和菓子作りができる体験キット「おてづくり生菓子-桜-」。こちらはコロナ禍の3月に販売されたそうですが、どういった背景があったのですか。
加藤:「おてづくり生菓子」を販売したきっかけは、新型コロナ感染拡大により外出を自粛せざるを得ない春に、家族で桜の生菓子を作ることができれば、美しい桜と美味しいお菓子を同時に楽しんでいただけると考えたことです。こんな時だからこそ「日本の美しい四季」を楽しみ、安らいでもらい、和菓子に興味を持っていただきたかったからです。作り方はSNS上で動画配信しました。ご家族で作ることで、お子様にもこの魅力を感じてもらえたら嬉しいです。
コロナ禍でも日本の文化を忘れずに
学生:5月6日までの休業要請中、節句前日の4日から営業再開されたとのことですが、それはなぜですか。
加藤:私の孫も初節句で、同じような方がいらっしゃると思い、今こそ和菓子とともに皆で祝ってほしいという想いで決めました。社内で反対の声がある中、楽しみにしてくださっている方が一人でもいらっしゃるなら、お店の扉をこちらから閉ざしてはいけないと、各店の従業員に手紙で伝えました。おかげで当日はたくさんの方にご来店いただき、和菓子屋として、日本の文化を伝える役割を少しだけ担えたことを嬉しく思います。
コロナ禍だからこそ地域の支えに
学生:地域のためにされた取り組みと、その根底にある想いをうかがいたいです。
加藤:広島県菓子工業組合主催の「お菓子味来(みらい)チケット事業」に参加し、弊社のチケットの売上から、弊社のお菓子をこども食堂に寄付しました。お客様のお気持ちが子ども達の笑顔になる素晴らしい事業です。また、チケットをご購入いただいたお客様には、感謝の想いを込めてお手紙をお送りしました。弊社が広島にとって「なくてもいいもの」ではなく、「なくてはならないもの」でありたい。広島の人たちに育てていただいた和菓子店として、皆さんのお役に立てるお店にならねばと思っています。
株式会社 御菓子所 高木
広島市西区商工センター七丁目1番地10号
082-277-8011
今回お話しを伺った方
取締役社長 加藤 博基さん
私たちが取材しました!
沖本晴香(安田女子大学):素敵なお人柄の社長さんでした!
景山夏帆(安田女子大学):100年前からSDGs!
永田みのり(安田女子大学):伝統を守り抜く信念
丸茂真奈美(安田女子大学):伝統を発展させる素敵な企業でした
編集者からのコメント
加藤社長は意識されていなかったそうですが、ここで取り組まれてきたことはSDGsにつながる想いに溢れていました。100年前から変わることなく守り続けてきた、人を想う企業文化があったからこそ、コロナ禍の今でも必要とされる和菓子店であり続けているのではないでしょうか。若い層にも和菓子を通して日本の文化を伝えていくため、この揺るがない企業文化を基盤とし、これからも変わらない幸せを届けていただきたいと思います。
引用:株式会社 御菓子所 高木