配送車が増える一方で、苦戦を強いられる路線トラック輸送
新型コロナウイルス拡大を防止として、工場休止や在宅勤務など、経済活動が急速に低下しつつあります。
日本企業の多くが安価に製造・仕入れができるという理由で中国に多くの工場を持ち、輸入を頼っている部分がありました。それだけではなく、世界最大の小麦輸出国のロシアは国内供給を優先し、4~6月の穀物輸出量に制限を設けるなど、他国でも3月半ばより食料輸出規制がかかり、世界の食料貿易に影響を及ぼしています。
中国からの資材輸入が幅広い分野で激減したことで、配送量が大幅に減少。中国の工場では一部稼働を再開したところもありますが、人員が限られており、日本への輸入までに時間がかかっているのです。このように、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、輸送量が減り、止むを得ず休車となるケースが増えたことで、売り上げが落ちる企業も。
不特定多数の荷主の荷物を中長距離で運ぶ路線トラック。その最大手であるセイノーホールディングスは2020年3月期の通気業績予想を、売上高6360億円(前期比2.8%増)から6260億円(前期比1.2%増)に、営業利益328億円(同5.1%増)から296億円(前期比5.2%減)に下方修正しました。
また、名鉄運輸も2月に業績予想を下方修整しています。これには、コロナウイルス対策で荷動きが急減したこと、昨年10月より実施された消費増税による運賃の値上げに加え、日用品、アパレルの荷物量低下、店舗の営業自粛など、いくつもの原因が重なったことが考えられます。