宅配大手 SF Express(順豐速運)を保有する SF Holdings(順豐控股)は、初となるドローンを使った商品配達の免許の交付を受けた。物流へのドローン導入は、先ごろ無人配送センターをオープンした小売大手 JD.com(京東)など複数企業で試験中だが、企業が合法的に顧客への実際の配達を行うのは、これが初めてとなる。
新華社通信によると、中国民用航空局華東地区管理局は3月27日、SF Holdings の子会社である Jiangxi Fengyu Shuntu Technology(江西豊羽順途科技)に暫定免許を交付した。同社による配達を許可するものだ。
SF Express は、3段階のエアボーン配達ネットワークを構築する予定。まず、飛行機が中国全土に大量の物品を配達、その後、大型ドローンが地域に物資を配達し、小型無人機が顧客に配達する。
農村地域は、中国でドローン配達から多くのメリットを享受することになる。人口密度の高い地域では、既に地上で迅速な宅配業者ネットワークが構築されている。SF Express は同社の配達能力や設備に多額を投資してきた。航空貨物ネットワークの一環として航空機を購入・リース契約し、最近では主要ハブを構築するため空港も獲得している。中国は山の多い国だ。山間部、丘、台地が国土の70%を占め、広い地域で道路によるアクセスが難しい。ドローンは、配送会社に配達可能地域と配達時間を改善するための新しい方法を提供する。
自ら配達ネットワークを運営するオンライン小売 JD は、海南省の省都である海口に初の無人機配送センターをローンチした。
同社の初のドローンは3月26日、海南での初の配達開始に向け離陸した。海南島は中国本土の南岸沖合に位置し、山が多いためドローンを使った配達の試験地に適している。JD は、中国のあらゆる場所に24時間以内に商品を届けたいと考えている。