世界中で物流サービスが展開されているが、その中でも日本はトップクラスの技術を誇る。荷物を丁寧に扱い、ドライバーが笑顔で応対する。それだけのサービスを実現できるのはなぜか。その謎に迫ってみよう。
1.客のための明快なコンセプト
“日本の宅配便は、冷蔵・冷凍品、ゴルフ、スキーなど、運ぶ商品に特化した宅配便が豊富。スキー専用の宅配便は、スキーまたはスノーボードのグッズを宿泊先に直接届けてくれる。
さらに、日本を代表する「ヤマト運輸」の宅急便は、「電話一本で集荷」「翌日配達」「簡易な梱包」だけでなく、「明朗会計」もコンセプトに開発された。お客様第一のサービスを日夜生み出せているのも、明快なコンセプトがあるためだ。
2.ドライバーがすごい
日本の宅配便を支えているのは、実はドライバー。ただ運んでいるだけでなく、お客様の質問に答えたり、お届けにあがったお宅から配送を受け付けたりと、売上につながる役割も担っている。また会社の顔として、直接お客様に接するドライバーだからこそ分かる課題から、新サービスが開発されることもある。
例えば、ヤマト運輸の「スキー宅急便」は、スキー場が多い長野県の社員のアイデアをもとに開発したものだ。
3.宅配便の利用は外国人も簡単
宅配便は誰でも簡単に使える。日本語が分からなくても大丈夫。空港宅急便もとても便利で、旅行中の大荷物を宿泊施設から空港へ送る際などに活用できる。東京国際空港、成田国際空港をはじめ、全国の主要空港へのお届けに対応している。
4.ユニークなロゴ
宅配便は、日常に溶け込んでいる身近なサービス。その証拠に、日本の宅配便のロゴマークは、猫、カンガルー、小熊など、親しみやすくて覚えやすいものばかりだ。
日本で最も有名な宅配便のロゴマークのひとつは、ヤマト運輸のクロネコの親子。これは、クロネコのお母さんが、子ネコを大事にくわえている様子が描かれている。「母が子を大切に扱うように、同社はお客様のお荷物を丁寧に扱う」という、当時の社長である小倉康臣氏の想いを表したものだ。